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alternative sight(excite版)

普通の事実を知る方法

【過去記事】5/2 ① REGULAR FACT

去年の年末からトレンド入りした「偽(フェイク)ニュース」という言葉。

それ以前にもネットの情報の信憑性は疑われてきたのだが「トランプ大統領誕生」という一部の人間には受け入れられざる「現実」の原因として“犯人”に仕立て上げられた側面があるようにも思える。

ネットの情報の扱い方として「メディア・リテラシー」なるものが一時期、騒がれた。

術を持たない人間は情報に振り回される、もしくは置いてきぼりにされる、と。

「偽(フェイク)ニュース」の所詮は、その類の問題でしかないように思える。

知るという行為において付随する役務(情報の収取と精査)の“外部発注”というのが、報道機関の役割であろう。

今まで“外部発注”して報道機関に頼ってきたモノを“中間業者”を通さずに直に受け取るようになったため、個人レベルで“裏付け”を取らないといけないのが現状である。

勿論、今まで通り“外部発注”に頼れるのであればそれに越したことはないのだが、その報道機関自体が自らの職責を放棄してしまっており、それはもう元には戻ることはないだろう。

産業革命は多くの労働者からその職を奪ったが、IT革命は多くの記者からその職を奪っている真っ最中である。

今まで“中央”に吸い上げてからの“提供”が主であった報道というものが“直接取引”になってしまったわけだ。

長年に渡って作り上げられたシステムを未だに信奉し、自負という自惚れを捨てられない記者たちが、認識の格差を埋められないままに垂れ流している情報が今日の「報道」と言われるものの正体ではないのか。

既存のメディアはネット媒体を卑下しているのだが、実際は自分たちに都合の良い情報しか“提供”していないような気がする。

それは最早、必要に応じたモノではなくなってしまった。

私がこのブログを始めたきっかけもそれである。

「alternative sight=もう一つの視点」として、モノ申したい。

ソレが必要に応じるものであれば幸いである。

それにしても「スピードが命」であるITの時代となったが故に、収取や精査という手間のかかる作業が必要とされるようになったのは何とも皮肉な話である。

だが、ここで注意すべき点がある。

一部のITメディアが証拠に基づく報道を構築しようと試みるそうだが、私はそれだけでは不十分だと思う。

情報というものは「①真偽」の他に「②目的」を考慮しなくては、正しく捉えることは出来ない。

例えば、誰かから情報が提供されたとして、その情報がたとえ真実であっても、情報が提供される意図が何かを理解して初めて、その情報のすべてを把握することが出来るというのが私の考え方である。

目的を知るということは、情報を提供する人物そのものを把握するということである。

大抵、情報を受け取ったもののリアクションが情報を提供する者の目的である。

情報を制する者は、人の行動を制する者である。

時に都合の良い情報を与え、時に都合の悪い情報を隠す。

事実であっても、飛びつくのは早計であることは、意外に多い。

事実についての考察はこの程度にしておき、嘘というものの考察をしてみよう。

嘘というものは「事実と異なる」ことに他ならないのだが、その目的は2つある。

「①捏造」と「②隠蔽」である。

「①捏造」とは現実には存在しないものを作り上げることであり、「②隠蔽」とは現実に存在するものを隠すことである。

この2つに大別すると偽りの情報に関しても、そこそこ寛大に対処することが出来る。

嘘の情報を提供した人物の把握出来れば、その行動(嘘をつく)さえも理解できるのだから。


ここに「Newsweek 2017/01/24」の記事を例題として紹介しておこう。

日本語の見出しには「疑惑のメモを黙殺してはならない」とある。

ドナルド・トランプ大統領が就任前に会見を開いた際に話題となった元英国諜報員がまとめたメモに関して書かれている。

メモの詳細が書かれていないのだが、説明しておくとドナルド・トランプ大統領が一企業人として活動していた時に滞在した先のロシアでの“セックス・スキャンダル”を収めた動画が存在するというもの。

しかし、この動画の存在は“裏付け”が取れていないそうだ。

そして「セックス・スキャンダル」を収めた動画に関して「①サンクトペテルブルク」と「②モスクワ」の2ヵ所の証言が記載されている。

面白いのは「①サンクトペテルブルク」の証言と「②モスクワ」の証言は全く食い違っているという点である。

〈動画の存在についての証言〉
ある(聞いたことがある) → 「①サンクトペテルブルク」
ない(聞いたこともない) → 「②モスクワ」

ここで元諜報員は「①サンクトペテルブルク」(ある)が「現実」であり、「②モスクワ」(ない)が「隠蔽」であると結論付けている。
私の嘘についての考察を使えば正反対の結論の可能性が出てくる。

「①サンクトペテルブルク」(ある)が「捏造」であり、「②モスクワ」(ない)が「現実」である・・・・。

私の仮説について、補足を付け足すのならロシアはアメリカ合衆国の大統領選挙の際、当初は民主的選挙の信頼性を破壊することが目的であったそうだ。つまり、早い段階ではドナルド・トランプ候補も攻撃対象にされていた可能性があるということである。

続いてメモをまとめた元英国諜報員は「2015年に国際サッカー連盟(FIFA)の汚職に関する情報をアメリカ連邦捜査局(FBI)に提供したとされる敏腕の諜報員として知られる」(ハフィントン・ポストより)だそうで、相当の有名人らしく、ロシア側にマークされていた可能性も否定できないと思う。

つまりは「偽(フェイク)ニュース」を掴まされていた可能性が無いわけでもない。

メモに書かれた他の情報は裏付けが取れるものなので、それを以って「セックス・スキャンダル」の動画の存在は信頼性があるとされているが、「事実」の中に囲まれても「疑惑」は「疑惑」に過ぎない。

情けなくも、この不確かな情報のメモは米国情報機関は裏付けを得ないまま報告書に添付されたそうだ。

つまり、米国情報機関の優劣は大統領が一番把握している、というわけである。

さてさて、どっちなんでしょね?

記事の日本語の見出しを思い出して欲しい。

「疑惑のメモを黙殺してはならない」

是非とも、その真偽を報告していただきたいものである。

私は、どちらかというと「偽(フェイク)」だと思っている。

情報を提供した人間を評価すれば、自ずとそうなる。

情報を提供した人物?米国情報機関?

いや、最終的に米国情報機関が情報を提供したわけではない。

「疑惑のメモを黙殺してはならない」という見出しの上には、こうある。

“OBAMA SHOULD TELL US”

情報の提供者は、当時アメリカ大統領であったバラク・オバマということになる。

「憲法が三選を禁止していなければ私が大統領選挙に出て勝っていた」という自惚れ発言で名を遺したバラク・オバマ前大統領である。

ハーバード大学卒業のエリートは簡単な逆説を立てられないようだ。

「2012年の大統領選挙にドナルド・トランプが出ていたらバラク・オバマは負けていたかもしれない」

なんか、誰も突っ込まなかったみたいなんですけど。

by wasteyourtime | 2017-06-14 00:00 | 国際

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